ただ今、新建築住宅特集を読んでます。
2022年1月号なんでタイトルが「2022年 住宅のこの先」となってます。
副題は「家をめぐる建築家の想像力」。
冒頭対談は石山修武(建築家)、中山礼仁(建築史家)、中山英之(建築家)、藤村龍至(建築家)。
対談は石山先生がリードする形で進んでいきます。
冒頭で石山先生は建築家はクライアントに建設地を提案できたら良いと言います。
あなたにはこの場所が良いのではないか?その方が良い設計ができる。
と言う事だと思います。
次に中山さんが20年前に建てた石山先生のご自宅を*ホール・アース・カタログのようだと言います。
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*ホール・アース・カタログ=Whole Earth Catalogue
伝説のカタログ「Whole Earth Catalogue」は1968年に創刊されたヒッピー・コミューンを支えるための情報や商品雑誌。
1974年に『Stay hungry. Stay foolish.』という言葉を裏表紙に飾って廃刊した。
この言葉はスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式の式辞で、卒業生に贈る言葉として紹介した。
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建物が雑多でルーズな状態(実はかなり整っているが)をホール・アース・カタログと言い表したのが興味深かった。
次のハイライトは石山先生が「日本の建築家は普通の民家を設計できないが、地方の工務店は設計できている」と語った場面。
職人性と百姓性が混じった建物ができると良いと言った意図だっかたと。
地方工務店(辻野建設工業もここに所属してると思っている・・・)が意を強くする言葉だったと思います。
対談の最後は住宅の中規模生産、中規模ブランドの構築について語られてます。
建築家が頑張っても住宅単体では日本の住まいの風景はなかなか良くならない。
そこについて、辻野建設工業では当別田園住宅や「さとまち」シリーズで複数戸建設を試み、群としての建物達、デザイン性が支配するエリアの空気感を社会に送り出すつもりでいるので、頑張ろうと思った次第です。
さて、「2022年 住宅のこの先」特集で気になったのが北海道弟子屈町でVUILDと言う会社が設計したNesting0001と言う家。
このプロジェクトがすごいのはゴールが「情報技術を纏った建築起業家により自律分散型住宅産業を作る」事です。
具体的には
◯建主自らが設計する。
◯CNC加工機を使った建築構法開発。
◯設計アプリ開発。
などが組み込まれてます。
誌面だけではなかなか読み取れませんが、何か尋常でない発想を感じました。
北海道でもアーキヴィジョンやビーハウスなど構法開発型デザイン住宅が展開されましたが、VUILDは情報武装と言うバックグラウンドを背負ってやってきました。
注目すべき動きです。