染色家の小島柚穂さんから借りた本を読み始めています。
一番のオススメの本を読み終えました。
現代工芸論。
工芸と美術の違いとは何か?
工芸に特徴的な要素は形、素材、技である。
これからの工芸に必要な視点はローカル、アナログ、使用価値、心地よい暮らしだ。
工芸を読み解き、展望する際には物質の特性を捕まえ、その変化のありように立ち合い、そこに人の意思を反映していく立場が必要だ。
物質に人の意志を反映する事例として、札幌市在住の画家、井上まさじさんの「物質の限界を超えていかなければ、先に進めない」とのメッセージを紹介してます。
興味あって井上さんをググったらかなり抽象的なアクリル画を描かれてました。
このような工芸にまつわる思索は私の分野である建築に当てはまる部分があると感じました。
形・素材・技を住宅に関して当てはめると造作家具であるキッチンカウンターですとか、壁の珪藻土仕上げ、外回りですと木や塗り壁材を使った外壁仕上げやデッキ空間に同様な考えが通じると思います。
ただ、工芸の方がよりきめ細やかな素材選びや技の機微が配慮されており、その辺の意識から建築が学ぶべき点は多々あります。
ただ同じものづくりと括れば、物の特性を活かし、人の意思をそこに込めると言う作業は相通じる点があり、今のものづくり、これからのものづくりに必要な視点だと考えます。