コンパクトに暮らす
「起きて半畳、寝て一畳」という言葉があります。過度に大きい家は、本当に必要なのでしょうか。親子同居が減り、一軒の家に住む家族の数が減り、高齢化が進んだ今、大きな家を持て余すケースも多く見られています。そこで自分の身の丈に合った家のサイズ、小さくても心地よく暮らせる住宅デザインが、今求められています。
小さくても心地よく暮らすにはそれ相応の設計上の工夫が必要です。窓の大きさやその配置を工夫し、室内の高低差に変化をつけることや、動線に回遊性を持たせ、視線を通すよう部屋を配置するなどいくつかの手法を組み合わせることが必要です。天井も少し低くするとコストダウンになりますし、ムダな空間を暖めなくてもいいので省エネにもつながります。こういう工夫を凝らすことで、小さくても豊かな空間を持つ家が生まれます。
歳を取っても家事が負担にならない家、長年住みこなしたいと愛着を持ち続ける家、私たちが追求する「コンパクト」な家はそんな家です。
木と珪藻土の壁
北海道にはトドマツやカラマツの人工林がたくさんあります。これらの有効活用は森林資源の循環に不可欠です。しかも値段が手頃なので、私たちはメンテナンスのしやすい1階外壁などによく道産木材の板を使います。また外壁には、当別町の隣町である江別市のレンガも積極的に採用しています。レンガは比較的高額な材料ではありますが、玄関まわりなどで部分的に使うと、予算を抑えながらも、アクセントのある外観デザインを演出できます。
室内の壁には、20年以上前から北海道産の珪藻土を使っています。湿気を吸収したり放出したりしてくれる調湿機能に加え、脱臭・消臭に優れた珪藻土は健康に優しい自然素材。最近は初心者でも塗りやすくなってきたので、お施主様にも部分的に珪藻土塗りをしてもらったりしながら、一緒に家づくりを楽しんでいただいています。
無垢の床
私たちは、道産ナラをはじめとした、無垢材を使った床をおすすめしています。無垢材の床は、人工的な床材より柔らかいので傷つきやすく、ワックス塗りなどのメンテナンスが必要などといったデメリットもありますが、足ざわりが暖かく、木の香りはとても心地よいです。