昨日はi-worksのナラのフローリングを納品してもらったウッド井上さんと対談をしました。

井上さんとはかれこれ30年近くのお付き合いで、無垢材と言えば井上さん、と思っています。

道産材ナラがもっと高く評価されるべきだという点に話が及びました。
かつて井上さんが事業を始めた時、トラックでナラ材を運んでるとバニラのような甘い香りがしたそうです。
タモやニレとは違う高級感がナラにはあると井上さんは言います。
ナラには英語で「タイガーストライプ(tiger stripe)」や、特に光沢のあるものは「シルバーグレイン(Silver Grain)」と呼ばれる模様が時々あります。
日本語では「虎斑」とか「虎杢」と呼ばれるそうで、この模様はナラの高付加価値に数えられます。

心配なのは当社のウリであるナラのフローリングが手に入らなくなる事ですが、まだしばらくは大丈夫そうです。
話題は木に塗る塗料ウッドロングエコに移り、その化学反応の原理がオハグロと同じだと井上さんは解説します(タンニン酸第二鉄)。

木に含まれるタンニンと鉄の成分が結合すると木の耐候性が増します。
井上さんはウッドロングエコとは違う商品を三笠の堀川林業さんと開発し、代理店をやってます。
木酢液とタンニンと鉄のサビで木に着色する手法は先人の知恵が詰まった現代でも通用する素晴らしいやり方だと認識しました。

次に林業に話題が及び井上さんは三重県の速水林業さんに注目してると言います。
速水林業さんはスギやヒノキの人工林を主体としつつ、広葉樹や下層植生を維持・育成することで生物多様性の確保にも努めています。
私も当別町森林組合長として昨年、青山の山約1ヘクタールにミズナラを植えましたが、広葉樹植栽により関心を寄せたいと思いました。
北海道の建築家の話題では中井仁実(なかいよしみ)さんの名前を久しぶりに聞きました。
中井さんの事務所から出て活躍する北海道の建築家は結構います。
その存在の大きさと功績を偲びました。
以上、i-worksモデルハウス対談第一弾、ウッド井上さんの巻が終わりましたが、とても楽しいひとときでした。
i-works対談は第四段くらいまで人選を考えていて、今から楽しみにしています。