今から15年ほど前、仙台の舞台ファームと言う農業生産法人の社長、針生信夫さんと言う人から野菜(玉ねぎだったかジャガイモだったか)を売って欲しいと相談がありました。
それが針生さんと初めての出会いでした。
ずいぶんと喋る人だな、正直、大丈夫かなと思いました。
なんとか野菜を工面し、2、3年供給したと思います。
その後、今度は私の方から仙台に出向き、舞台ファームのカット野菜工場を見せてもらいました。
舞台ファームはお米も生産し、他の農家からも集めてたりしてました。
そして3・11の震災。
倉庫にあったお米が津波で濡れて、舞台ファームは数億円の被害にあいました。
その後、針生さんはアイリスオーヤマの大山健太郎さんと組んで舞台アグリフォームを設立し、巨大な精米工場を建てました。
辻野商店は針生さんとお米の取引を始めました。
針生さんはカット野菜工場を増設したり、水耕栽培に関わったりどんどん事業を拡大します。
今では社員だけで100人はいるようです。
私は辻野商店と言う農業関連会社の経営者として針生さんの動向を注目してきました。
お米を買ってもらってることもあり、たまに針生さんに会ってお話を聞いてます。
今回久しぶりに仙台を訪ね、針生さんに宮城県美里町にある巨大レタス工場、美里グリーンベースを見せてもらいました。
全長500メートルのレタス工場ですが、栽培エリアにはほとんど人がいません。
タネを植えたセルで野菜が育っていく間、成長とともにセルを広げていきます。
タネを培地に植えるのもロボット、培地からセルに移すのもロボットです。
収穫とピッキングは人間の手でやります。
34億円かかったと言うこの美里グリーンベース。
針生さんはやることがデカい。
しかしこのプロジェクトは実現するまで、いや実現してからもいろんな困難があったそう。
それを徐々に改善し、今は軌道に乗ってるそう。
現在、他にもデカいプロジェクトが進行中でとどまることを知らない針生さん。
針生さんから何か得ることはないかと思うのですが、堅実路線で現実的な私には話がデカすぎてついてけません。
それでも長い付き合い、同い年、お米の取引など、親しくさせていただいてるので、これからもたびたび会いたいと思っています。