i-worksを設計した伊礼さんは建築家吉村順三の流れを受けてます。
吉村順三は「軽井沢の山荘」で有名な方です。
その設計思想は私が解釈するに自然と建物の調和。
そして謙虚で慎ましやかな日本人ならではの風流を味わう世界です。
伊礼さんはその世界観を引き継いでいます。
窓から眺める景色を楽しむ。
床に座り、ムクの床の感触に温もりを感じながら考え事を巡らす至福な時間。
障子に移る木陰を楽しみ、変わる障子の明るさで雲の動きを察する。今、雲が出てにわかに日が翳ったな。
寝転びたくなる縁側。
小さいけどキチンと丁寧に配置されたキッチンや家事コーナー、収納。
i-worksでは全国各地で同じ設計の家が建てられているけど、少しずつ違う。
その違いは地産地消の材料に象徴される。
今回は道南杉やナラ、白樺、カラマツ、シウリサクラなど道産材がふんだんに使われている。
その土地に馴染みの深い素材を使う事で、地元の人にとって親しみが生まれる一方、他の地域の比べた時には文化や風土の特徴となっていく。
同じ設計ではあるが、新しいけど使い古された用の美がある。
全国各地の何件もの事例を経て、伊礼さんにより少しずつ改良され、今の設計に落ち着いたと思われるが、そのクラシカルなデザインがものづくりの完成形を思わせる。
その背景に日本人的な伝統、文化、歴史が詰まってる気がしてならない。
i-worksには世界に誇る日本の良き文化の要素が込められてると私は勝手に解釈しています。