90才になるおばがいます。
札幌の老人施設に入っていて、私は時々お弁当を買って部屋で一緒に昼ごはんを食べてます。
おばには子供はおらず、旦那さんはだいぶ前に亡くなり3人兄弟のうち兄は亡くなり、私の母は高齢で見舞いに行けなくなりました。
現役時代は旦那さんと事務用品会社を経営していて、自由奔放な性格で海外旅行好きなおばでした。
自由奔放な性格は歳をとっても変わらないらしく、時々施設の人の制止を振り切って、表に出たがったりしています。
丈夫だった足腰も杖なしではよろめいてしまい、杖なしで歩いているのを見ると危なかしくてヒヤヒヤします。
しかし個人の尊厳の大切さもわかるので、仮に認知がかかっていてもおばの自由にしたいと言う気持ちは尊重したいと思います。
昨日も部屋で一緒にお昼ご飯を食べたのですが、その後、郵便局とスーパーに買い物に行きたいと言うので、施設に車椅子を借りて出かけることにしました。
300メートルほどある郵便局まで車椅子を押して、通帳を記帳してから一旦施設に戻り、今度は車椅子をトランクに積み、おばを車に乗せ1キロほど離れたスーパーで車椅子とおばを降ろして買い物をしました。
おばはみかんやソーセージ、お赤飯やおにぎりなど、そんな食べきれないだろ、と思えるほど商品を選びました。
私は車椅子を押しながら買い物するのは初めてで、新鮮な気持ちになりました。
将来、私自身が誰かに車椅子を押してもらう事はあるだろうか?その時はどう感じるだろうか?
無事、施設の部屋に戻り、おばは満足したように見えました。
おばの世話は結局は自分の人間性を試す事。
何が正しくて、何をすべきで、それをやる勇気があるか、やったかどうか、やらなくて後悔したか、自分を責めすぎて自滅しやしないか。