2024.05.14

建物に寄り添う工務店

家は持ち主の高齢化や家族構成の変化によって住み方が変わる。

歳をとると手すりもいるだろうし、寝室を2階から1階に降ろしてこなければならない(うちの親)。

子供が巣立てば子供部屋は物置や予備室になる。

時代要請や建物自体の経年によっても住み方は変わる。

一軒家を数十年使う時、暖房手段がオール電化→灯油暖房→暖房エアコンと変わる事もある。
 
外壁は塗り直したり、サイディングを貼り、長持ちさせる。
屋根のペンキは塗った方が良い。

最終的には転売したり、解体して更地にする事もある。

私たちはその建物を建てた工務店。

長続きする工務店は建主よりも長く建物とお付き合いするケースがある。

例えば建てた時点で建主がすでに高齢だった場合、20年くらいで建主がもうこの家には住まない、住めないと決め、その家を手放すときに私たちが売却を頼まれる。

家だけでなく倉庫や別荘もそう。

私たちはその建物の図面を保管していて、設備や電気など当時の協力業者リストも持っていて、その建物の特性を建築の立場から分かっている。

だからその建物を手放すとき、売却すべきか、売却するとなるといくらくらいか、相談に乗ることができる。
更に次の使い方に対して今の持ち主にない発想を持っている。

家や石造倉庫をリノベーションしてカフェにし、工場を倉庫にし、アパートを民泊に用途転換した事もある。

建物を解体するならすぐできるが、まだ使えそうな建物を壊すのは勿体無いし、今のご時世、解体費は高い。

建てた工務店としてその建物の気持ち(?)になり、彼らを次の持ち主につなげたり、新しい使命(用途)を与えて、今までとは違う形で世の中に役立ってもらう事を企画するのも私達の役割だと思う。

長い前段だったが、今、25年前に中小屋に建てた別荘の処分を頼まれてます。

この特徴的な建物を壊すか活かすか相談されてます。

私の中には勿体無いと言う気持ちがありますが、ではどう使うか、直したらどのくらいかかるか、どんな敷地の使い方があるのか、など考えてます。

その構想作業はある意味楽しく面白い。

建物に寄り添う工務店としての答えを見出したい。

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