鹿児島建築研修最終日。
さつま町求名(ぐみょう)に建築家、堀部安嗣さんのデビュー作を見に行きました。
作品は2件。
「南の家」と「ある町医者の記念館」。
南の家
ある町医者の記念館
同じ建築家が設計したとは思えぬ対照的なデザイン。
「南の家」の低い天井、低勾配の屋根、心憎い光の捉え方に対して「ある町医者の記念館」はアールのファサードに白い内壁。
この辺鄙な集落になぜ30年前、このような建物ができたのか?
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前原則知 (求名の 「赤ひげ先生」)。
大正15年求名で医院を開業以来、地域医療に多大な貢献をされ、 町議としても活動、妻「鹿野」氏は、助産婦として求名の多くの子供達の出産に尽力された。
記念館は長男「太作」氏(医師)が、亡父を偲び平成7年に甥「堀部安嗣」氏に依頼 建築された。
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この建物がある求名はかつて交通の要所として宿屋や遊廓があり栄えたが、今は衰退の道を辿ってるようです。
赤髭先生の奮闘虚しく求名は今は寂しい集落ですが、道端で出会った理美容店のおばあさんにとって、堀部さんの名声は誇らしいようでした。
新聞の切り抜きと独自の解説で熱心に私達に語りかけて来ました。
同じ道に面してある立派な真宗本願寺派のお寺。
毎日、10時に集まりがあるそうで、ご婦人方が三々五々集まってました。
もう求名には来ないし、おばあちゃんにも会わないだろう。
理美容店の床下には貴重な焼酎がたくさんあるそう。
元気でいてください。おばあちゃん!