2023.06.18

企業の変化

「新しい形の資本主義」と言う本を読みました。

著者の諸富徹さんは資本主義が脱炭素や無形資産など非物質的価値を求める方向に展開していくと指摘しています。

例えば辻野建設工業株式会社が関わる建築業は新築からリフォームや空間シェアへ、灯油やガソリンを売っている当別熱源は再エネ販売や地域暖房、カーシェアへ、肥料・農薬販売、米・豆・麦の集荷を行なっている辻野商店は有機農業支援や農産物の付加価値支援へ、と言ったように既存の業態を新しい資本主義に合った業態に転換していかなければならないと言う事だと思います。

一方で経営を行ってる実感では職人不足や同業者の減少による一時的な売上アップなど、既存事業でもまだまだ需要はあるな、と思います。

時代変化のスピードに合わせ変化するのが現実解ですが、新しい方向への展開は着々とやっていかなければなりません。

その時、会社に矛盾した形、例えば農薬販売しながら無農薬栽培を推奨するなど、が起こり、現場社員は混乱するかもと思わなくもありませんが、現場社員だからこそ理解してくれるのではないかとの憶測もあります。

「新しい形の資本主義」は新しい職域へ転換するための教育システム充実の重要性を指摘しています。

プログラミングやAI操作などベーシックなスキルを磨くのなら既存のテキストや講座がありますが、無農薬とかシェア、再エネ普及となると先端をいく企業のキャッチアップ(マネや参考)や自力OJT的な訓練で人材育成をはかるくらいしか思い浮かびませんが、売り上げが上がるまでの人件費負担や投資がリスクとしてかかります。

著者は産業をまたいだ同一労働・同一賃金を訴えており、そうする事で生産性の低い企業が廃業や撤退により、市場から退場することを期待しています。

残存者利益を次なる投資源として活用する。

残存者利益の例として挙げられる富士フイルムは医薬品や化粧品・サプリメントの開発で成功しています。

中小企業の事業転換は難しいけど、事業再構築補助金の活用や新分野への人材育成支援制度があったら使いたいものです。

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