2022.02.25

コモンズとしての日本近代文学

最近、ドミニク・チェンに注目しています。

ドミニク・チェン(Dominique Chen 1981年 – )は日本の情報学研究者・起業家。
早稲田大学文学学術院・表象メディア論系・表象メディア論系・准教授。

先日、彼が書いたコモンズとしての日本近代文学という本を読みました。

この本は
寺田寅彦「どんぐり」
夏目漱石「夢十夜」
柳田國男「遠野物語」
石川啄木「一握の砂」
南方熊楠「神社合祀に関する意見」
泉鏡花「海神別荘」
和辻哲郎「古寺巡礼」
小川未明「赤い蝋燭と人魚」
宮沢賢治「インドラの網」
内藤湖南「大阪の商人学者富永仲基」
三遊亭円朝「落語の濫觴(らんしょう)」
梶井基次郎「桜の木の下には」
岡倉点心「茶の本」
九鬼周造「「いき」の構造」
林芙美子「清貧の書」
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」
岡本かの子「家霊」
折口信夫「死者の書」
中谷宇吉郎「西遊記の夢」
柳宗悦「雑器の美」
山本周五郎「季節のない街」

を紹介し、ドミニクさんの解説と初版版の本文写真、抜粋もしくは全文が載っています。

こう言った近代文学が私たちの精神世界に少なからず影響を与え、日本人らしさを形成してると言えます。

細やかな文章表現をくみ取り、文字を頭の中でイメージ化する読書作業は感性や想像力を養う訓練となります。

ドミニクさんはこのような名作を青空文庫と言うオンラインサービスで無料で読めることがコモンズ、すなわち共有財産であると評価してます。

そしてその共有財産を惜しげなく使いこなし、そこから生まれた優れた作品を次世代への共有財産として繋いでいく善循環を期待してるのだろうと思います。

それにしても最大のコモンズである平和が危うい現在、私たちは何ができるのか?と思います。

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