2025.02.22

役場庁舎視察

昨年の暮れに辻野建設工業株式会社の若手を集めて勝手に当別町役場の庁舎を考えるプロジェクトを立ち上げました。
事例を研究せねばと言う事で昨日、4ヶ所の役場庁舎を見てきました。
1ヶ所目は当麻町役場庁舎。

木造在来工法でできないかと思ってるのでまずはその代表格である当麻町役場を訪ねました。
3.6mグリッドで柱が立つ事務スペースですが、慣れれば柱は気にならないそう。

最初に会議室で説明を受けましたが、入り口に「辻野建設工業様 行政視察」とスケジュールが張り紙してあったのでうれしい気持ちになりました。

会議室で説明会を受けましたが、7年前に約13億円で建ったこの建物は買取方式だったそうです。
工期は一年かかってなく凄く短いと思いました。
在来工法だと普通の大工さんでできるから人数を集められるのではないかと思いました。
最盛期で20~30人の大工さんがいたそうです。
クレーンは何台か立っていたそうですが、個人的には1ヶ所でパネルを作って嵌め込んで行ったら良いのではないかと思います。

どこの町でも予算の関係で面積は小さくなりがち。
棚の厚みを薄くするなど工夫して何センチかでも通路を広くする必要を感じました。

当麻町では暖房にチップを使ってます。
イタリア式の二層タンクからチップが搬送されボイラーに投入されます。
チップは運ばれる段階で含水率が60%でそれを予熱で20%まで落とします。
予熱温度が60℃だったのを早く乾燥させたいので最近70℃に設定し直しました。
重油ボイラーでバックアップしてます。

温められた空気は床から出てきます。

議場は机が可動式になり、議会がない時は別な用途に使えます。

視察が終わった時に私に寄ってきた若い女性、アレと思ったらうちの大工さんの娘さんでした。
そう言えば当麻町役場に勤めたと聞いてたわ。

当麻町の次は砂川市役所。

エントランスホールは大きな吹き抜け空間で広々としています。

執務スペース。

今回の視察で強く思ったのは書庫の必要性。
閉架式で手動の棚。どこの庁舎でも同じような閉架式書庫がありました。
一年に一度書類を処分するときの動線が短くなる方が良さそうでした。

この重なる方式の書棚は良いと思いました。

それと公的スペースと市民スペースの区分。特に休みの日などにその必要性が出てきます。
砂川市ではカードキーで入場制限をしてました。

職員用の簡単な販売コーナーや休養室は必要です。

防災時の非常用電源が用意され、その電源から送られる電気のコンセントは普通のコンセントと分けられてます。

エントランスホールの横にはキッズスペースがあり、利用度は高い。

砂川は隣の病院がデカくてビックリしました。
市役所の駐車場は200台あるそうですが、冬場に雪が堆積されると狭くなる時がある。

砂川の次は奈井江町。
設計は北海道日建設計。施工は砂子組さんJV。

ここでも会議室を用意していただきました。
「庁舎視察研修 辻野建設工業株式会社様」

RCと木の混構造。

暖房エネルギーは普通の灯油。だけど断熱が良いからか暖房費は下がったそう。

議会関係では委員会室、議長・副議長室、応接室、図書コーナーなどが必要になってきます。

奈井江も議場の机は可動式。
昨日は議会以外の会議が行われてました。

議長席だけは固定。可動間仕切りで隠れるようになってます。

丸い壁があったりカウンターが波状にうねってたりして優しい感じがする庁舎でした。

高さを変えれるカウンター。

1人あたりの机の幅は約1m。結構狭い。庁舎検討の敵は職員と聞いてはいたが本当にそうだったと担当者が振り返ってました。

印刷室、サーバー室、放送室などの機能も必要。

その他会議室は各階に2~3必要。相談室という名前でもありました。

町民コーナーは期日前選挙コーナーにもなる。

Wi-Fiは職員用と町民用で分けてある。
奈井江町は音楽推しなのでBGMがかかっている。慣れると音楽がないと寂しくなる。
奈井江町では庁舎に社会福祉協議会や保健センターの機能が複合されてます。

リース方式も考えたが地元業者優先や交付金制度の締切があり普通の発注にした。

奈井江と言えば昨年、奈井江協奏ネットワークさんに頼まれビジネスコンテストの話をしたら、早速、実施したようでその発表会に誘われました。
都合悪くて行けないのだが、庁舎見学の後にちょっとだけ協奏ネットワークの事務局長さんに挨拶をしてきました。

奈井江町の後は岩見沢市役所。

岩見沢市役所は視察を拒否されました。
行政関係者には説明するが、民間はダメなんだそう。しかし、ただ見るだけなら良かろうという事で見てきました。

玄関入ったら大きなオブジェが。なんじゃコレ。

執務スペースは整然としてます。

4階は議会関係、展望テラスは雪で埋まってました。

一階の市民スペース横にあるサケの水槽。

当麻町では辻野商店の同業者である野口商店さんを突然訪問し、知人を訪ねながら、4ヶ所の庁舎を視察したわけですが、丁寧な説明をいただいた職員さんには感謝をし、おかげで充実した視察だったと思います。

第二弾、道東編を来週、実施します。

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