2024.08.16

「風土」と「家」

お盆です。

辻野家にはむかし、毎年、親戚がお盆に集まり、騒いで、甲子園を見ると言う伝統がありました。

叔母や叔父、従兄弟が集まり、まあ、うるさかったなと言う思い出です。

その中心には父がいて、父は辻野家の商売上の跡取りという事で親戚が集まる場所が当別だったと言う事です。

元気だった叔父や叔母も既に亡くなり、親戚の集まりはなくなり、静かなお盆になりました。

辻野五右衛門、辻野辻太郎、辻野武男、辻野修、辻野浩と商売は私で5代目。

創業1914年、今年で110年。

かつて賑やかだったお盆が辻野家の隆盛を象徴していたとすれば、今は衰退期なのかもしれません。

家の盛衰。

昨日読み終わった本。
ガブリエル・ガルシア・マルケスの「百年の孤独」。

1828年から1928年の100年の間にコロンビアのとある町を開いたブエンディア家の盛衰の物語。

苦労、内乱、確執、狂気、勢い、そして孤独。

いろんな解釈がある中、私はウルスラと言う150才まで生きる女性に注目しました。

ブエンディア家唯一、冷静沈着、寛容で包容力があり、献身的な開拓者の妻。

他の登場人物がはちゃめちゃな中、安心して見ていられるのが彼女でした。

「百年の孤独」の「孤独」がウルスラ亡き後のブエンディア家の孤独と読み取れる気がしました。

現代において「家」や「家系」が取り沙汰されることは少ないですが、これがなきゃ人類は滅亡する。

バナナがよく育つ熱いコロンビアは北海道と違いますが、それぞれの「風土」にうまく適合した「家」に繁栄がもたらされるのかもしれません。

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