民泊中の台湾人ユカイさんに自転車を貸して欲しいと頼まれ放置自転車に手をつけてしまった私。
早く自分の自転車と入れ替え、ユカイさんを無実の罪で問われることを防がねばならない。
昨日、朝一番で修理を頼んだ自転車屋さんで私の自転車を引き取り、民泊アパートにあった放置自転車をトランクに積込み、そのまま駅前の交番へ。
平和な我が町のお巡りさんは交番の前で草むしりをしてました。
「放置自転車の事で相談があるのですが」
「そうですか。中にお入りください」
この狭い町はどこで誰かに見られてるかわからない。
顔がバレてる私が交番に入るところを誰かに見られたらヤバいと思い、急いで中に入りました。
「まずはお名前と住所と連絡先を教えてください」
「はい、辻野浩、当別町春日町〇〇、電話番号〇〇」です。
「放置自転車ですね」
「はい、2年ほど前からうちの前に自転車が置いてあり、盗難車ではないかと思い、トランクに積んで持ってきました」
「ほう、持ってきたんですね」
「はい、登録番号シールも貼ってあります」
「ところで自転車が置いてあった土地はあなたの土地ですか」
ドキっ
「いいえ、私の土地ではありません。自転車は向かいの潰れかけた車庫の後ろによしかけてあり、車庫は近所の人がこれは自分の車庫だと言ってましたが、使ってるのは見た事はありません。それとその土地は別な人の土地のようです」
「でもあなたの土地ではないんですよね」
「あ、はい」
「それじゃ、その自転車は車庫の持ち主のものだということもありますよね」
「え、ええ。でも2年間も放置してありましたし。あの登録シールで持ち主はわかるんですよね」
会話が進む中で段々と不安になってきた私。
もしかしたら私が近所の人の自転車を盗んできたって事?
「まあ、可能性の話ですから、じゃ、その自転車見てみましょう」
お巡りさんと交番を出てトランクを開け自転車の登録シールを確認してたら、アラっ、なんだアルファベットで名前のシールが貼ってあるぞ、なんとそれは近所の人の名前でした。
「すいません。これは近所の人の名前です。す、すぐに戻してきます」
「そうですか、一応、登録番号を調べておきますが、何かあったらご連絡します」
逃げるように交番から立ち去り、何はともあれ自転車を元の場所に戻しました。
2年間この状態だったからきった盗難車だろうと思った私の思い込み。
普段から思い込みの激しい年寄りをなんだかな、と見てる私もそうなるのか。
私自身が泥棒になるとこだった。
でもご近所さん、この放置の仕方は自転車に良くないと思いますよ。