ひよ子が生まれて卵を産むまでは約4カ月。 できれば生後70日くらいでワクチンを打った鶏を買ってくるのがお勧め。70日もので700円/羽程度。後藤ヒヨコ(千歳市上長都)で売ってくれるかも。 冬はどうしても卵を産まなくなるし、鶏の寿命は5年くらいで、いずれつぶさなくてはいけないので、3月に70日ものを買ってきて12月まで飼って、そのあとはつぶして肉にするとよい。
処理料は360円/羽くらいだが、少量だとやってくれないかも。一方、自分でつぶすことは禁じられているので、つぶしてくれるところを探すのがポイント。千歳や三笠、旭川に処理場があるらしい。
鶏1羽の重量は2kgで、そのうち肉は1kg。自分で持って行って冷凍にして送ってもらうと良い。内臓や骨ももらえる。 エサはクズ小麦50%、米ぬか20%、クズ米10%、魚かす(たんぱく質50〜60%)10%、貝殻(ホタテなど粉より粒の方が良い)8%、塩少々。鶏が食べるえさの量は150g/日。エサを混ぜるには板の上にワクを立て、原料を置きスコップなどで切り返すと良い。
ざっと計算するとエサ代だけで10円/日以上する勘定になる。ということは10円/コ程度で売っている安い卵はどうなっているかというと、いろいろな部分でコストダウンがはかられているから。鶏舎も機械化されていて1人で4万羽を世話するそうです。
鶏の種類ですが、もし10羽程度買うとすると、赤い鳥5羽と白い鳥5羽が良い。赤い鳥はのんびりしている半面物覚えが悪い。白い鳥は神経質な代わりに物覚えが良い。白い鳥は巣箱でちゃんと卵を産むので、赤い鳥はそれに習うそう。鶏には卵を抱きたがる性格奴がいて、チャボなんかはそう。だから昔は普通の鶏の中にチャボを入れていた。 オスを入れるときは1羽程度が良い。そうでないとオス同士ですぐ喧嘩をする。
鶏は有精卵か無精卵かを卵を足で回して見分けることができる。無精卵は巣の外に出してしまう。 鶏の成鳥は1週間に一度、臭くて茶色いドロドロした「盲腸便」というのを排泄するそうですが、実はこの中にヒヨコの病気を予防する成分が入っていて、ヒヨコはこれをつついてワクチン代わりにする。 以上、鶏に関する非常に具体的な話を聞くことができました。思った以上に深い世界と感じるとともに、生き物の本来のあり方を再認識しました。辻さんは話の冒頭に「昔のように一家に数羽ずつ鶏がいる町になるといいですね」と言っていました。ほんとうにそんな町はいいですね。