花が咲いてから、根を残して採ります。花も食べることができます。 アイヌ文化振興・研究推進機構のサイトから抜粋したからニリンソウの保存方法。
1.向きを揃(そろ)えた束を互い違いに合わせ、茎の中央を紐(ひも)で縛ります。キトと同じように束をいくつかつなげます。紐(ひも)をかけておくと吊(つる)して保存できます。
2.熱湯に通します。軽く浸す程度で構いません。
3.水を切って、乾きやすいように広げます。天日に当てて完全に乾燥させてから、室内で保存しておきます。
木もいろいろと見て回りました。 キハダ(シコロ)。 漢方では内皮は「黄柏(おうばく)」と呼び、健胃整腸薬として用いる。また黄色染料としても用いられてきた。 ちなみに黒の染料はクルミ。茶色はハンノキ。 白樺の樹皮はガンビと言い、油分が入っていてとてもよく燃えるので、焚き付けとして使われていました。 「シコロの沢」とか「ガンビ沢」とかよく言います。 ホオノキは秋になったら落ちてきた種を干してお茶にします。 さて、現在、「つじのの森」ではカラマツの皆伐作業中です。引き続き、明日から「グイマツF1」という北海道の期待の星である樹種の木を植林することになっています。 伐ったカラマツは太さや長さによって土木杭用丸太、製紙用チップ材、合板用、住宅用材に分かれて使われます。 かつら剥きの様にして合板になるもの。
貝沢さんいわく「間伐した後にはワラビがびっしり出てくるよ。来年が楽しみだ」。 我々は山を下り、沢の方へ下りて行きました。途中、シカの足跡や抜け毛などがありました。 道中、多く見られたのはオオウバユリ。 アイヌの人たちにとって主要なでんぷん源として使われていました。鱗茎を臼などで搗いて、そのあと醗酵させて、水にさらしてでんぷんを分け、1番粉、2番粉、更に残った繊維を丸めて円盤状にして干します。そこで得たでんぷんは冬の保存食としても重宝していました。 今度、いつかのまちなか暮らし研究会でオオウバユリについて改めて研究することとしました。
貝澤さんがオヒョウニレを見つけました。 オヒョウニレは高さ20〜25m、幹の太さ60〜100cmになる落葉高木で樹皮は淡灰褐色で縦に浅く裂けはがれます。アイヌの人はこのオヒョウニレの樹皮で着物(アッシ)を作りました。 貝澤さんが手早く、その皮を剥ぎ取りました。
ということで約2時間、貝澤さんとともに山歩きをし、駐車場に戻ってきました。3キロ以上は歩いたと思います。 貝澤さんの奥さんとお友達が食事の準備をしてくれていました。 メニューはイナキビご飯、キトピロ(ギョウジャニンニク)の漬物、タケノコとウドの酢味噌和え、タケノコのチヂミ風てんぷら、キトピロ餃子などでした。
かつてアイヌは栽培したヒエ・アワなど、交易(こうえき)などで手に入れた米をおかゆなどにして食べていました。今回はグリーンピースでしたがアイヌはヤブマメという豆を利用しました。 このヤブマメは味がよく、御飯に入れたり、塩ゆでしたりしてアク抜きもせずにそのまま食べられます。他の民族の利用例はないそうで、林の縁や道路ののり面など、ちょっとした郊外に行けばどこにでもある、珍しくもない植物なのでもっと利用価値がありそうです。 飲み物はナギナタコウジュのお茶。 これがまた、酸っぱいような苦いような複雑な味でした。韓国では一杯400円くらいで売っているところもあるそうです。 ということでとても楽しく、学習しながらの研究会でした。 貝澤さんとはこれからもいろいろと一緒に活動することになりそうです。