エゾシカを撃って解体して食う!その流れ・・
会合番号:51
講師は(社)森林環境保全ネットワーク 代表理事 外崎則夫さんと事務局長で(社)北海道猟友会 当別支部 副支部長の向井正剛さんでした。 まず外崎さんから昨年12月にできたばかりの(社)森林環境保全ネットワークについて説明いただきました。事業内容は野生動物の生息や被害調査、有害鳥獣駆除、ハンターによる護衛業務、森林整備計画のコンサルタントなどです。 さて、現在、エゾシカは道内に65万頭。道庁はその数を捕獲等により38万頭まで削減したいと考えています。 鹿の害の対策としては忌避剤を木に塗りつける、木の幹に枝を巻きつける、ネットで防護するなどがあります。一方、捕獲方法としては羅臼でやっている巻狩(まきがり)や浦幌で盛んなくくり罠などがあります。 捕獲したエゾシカはその場で解体して肉を持ち帰り、ほかの部分はその場に埋めます。 毎月、第4火曜日は鹿(しか=四・火)の日だそうです。現在、道内では211店舗がシカ肉をソバや中華、焼き肉、イタリア・フランス料理に使っていますが、その消費量はまだまだ少ないそうです。
次に向井さんからハンターへの道のりについて説明がありました。 銃の所持の関連法には「銃刀法」「火取法」「鳥獣保護法」があります。 銃の所持が許可されない場合は・・・・ ●人格欠格事項 ●破産 ●精神障害等 ●住所不定 等ですが、最近は近所の評判、借金の有無なども調べられるようです。 資格を取り、銃を購入するには合計、約20万円くらいかかるそうです。 実際に猟に行くには、意外と自由というか入林許可を取ればどこででも撃てるようです。場所によって違いはありますが、エゾシカのオス1頭/日、無制限/メスなどの捕獲制限があります。 狩猟期間は北海道は10月1日〜翌年1月31日まで、エゾシカは3月までとなっています。
次にエゾシカの解体ビデオを見ました。 ちょっとグロいのですが流れはわかりました。 基本的には解体場でぶら下げて皮をそぎます。内臓は捨てるそうですが、北海道のハンターの中にはアイヌの人たちがいて、撃ったエゾシカをそのまま持ち帰っているので、内臓も使っているのでは?ということです。
今回に出席者の中に昨年ハンターの免許を取った方がいまして、その方の話を伺いました。 ●エゾシカは簡単にはとれない。見つけられない。撃っても当たらない。撃っても逃げられる。肉が重い(ちなみに一頭全体の重さは100kg程度)。 ●昨年の成果はカラス一羽だけ。 最後のフリーディスカッション。 ●ハンターで食っている人は北海道にはまずいない。北海道猟友会会員数5500名。ハンターの数は減っている。 ●エゾシカを駆除すると6000円から15000円の報奨金が出る。 ●当別町でも高岡や茂平沢で鹿の被害が原因で米作りをやめる農家が出ている。 ●鹿は沢や送電線の下、風の当らない窪地にいることが多い。 ●他のハンターに誤射される危険性はある。目立った服を着ること。 ●今年は雪が多くて餓死した小鹿をよく見る。今年は鹿の数が減るのではないか? 以上です。 エゾシカのクラコウハムを試食しましたが、まずまずの味でした。機会があれば「つじの蔵」でも売りたいと考えています。 向井さんから向井さんの師匠が書いた本を紹介されたので読んでみようと思っています。