2022.06.18

危うい日本の肥料事情

辻野商店は肥料を販売している穀物集荷業者です。

実はこの肥料原料の調達環境は不安定な一面があります。

世界の肥料需要に占める日本の割合は0.5%で、日本は肥料原料のほぼ100%を輸入に頼っています。

世界的には穀物消費量、生産量がともに増加していて価格もここ1、2年高い傾向が続いています。

それに伴い肥料原料価格は約1年間で2から3倍に上昇しました。

日本の肥料原料は中国依存度が極めて高いが、中国の輸出に占める日本の割合は3%。

しかも中国は国内需要を重視し、肥料原料を戦略物資と位置づけてます。

日本の国際的立場は非常に弱く、原料価格は国際情勢に大きく影響されるため、日本は市況に振り回されてしまう。

肥料原料を確保困難価格高騰の状況は長期化の様相です。

今後やれる事は土壌診断を活用し過剰施肥を抑制し、適度な銘柄の選定や堆肥等有機物の活用を行う事です。
輪作や耕畜連携や有効な品種改良も良いかと思います。

もし化学肥料がなくなったら農産物の生産量はかなり減り、価格の高騰になりかねません。

有機肥料の成分は化学肥料の半分から三分の一ほどで、有機肥料生産量にも限界があります。

こういった危うい日本の肥料原料事情ですが、できるところから循環的な農業を行い、国際的にも調達先の多様化とそれらの国々との関係性の安定化が大事であると言えます。

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